Tradition to be inherited
富山県の伝統工芸品を、
もっと身近に。
富山県には、長い歴史の中で受け継がれてきた多くの伝統工芸品があります。
職人たちの技と心によって磨かれた手仕事は、
現代の暮らしにもやさしく寄り添い、私たちの日常を豊かに彩ります。
富山県の伝統工芸品について
国指定の伝統的工芸品
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高岡銅器
高岡市で作られる高岡銅器は、銅合金の鋳物では日本のトップシェアを誇ります。 日本各地に設置される大小のブロンズ像やお寺の梵鐘、仏具、美術品、インテリア用品など、作られているものは実に多彩。 高岡では、原型製作・鋳造・彫金・着色などの各工程ごとに、高い技術を持った職人たちが分業制で仕上げているのが特徴です。
井波彫刻
南砺市井波は井波別院瑞泉寺の門前町として栄えた木彫刻の町。 現在も、約200人の彫刻師たちが、個性豊かな作品作りを競い合う、稀有な町として知られています。 手がけるのは、全国のお寺や神社、住宅の欄間、獅子頭、神輿、曳山、だんじりなど祭りの山車の彫刻、仏像、美術品、衝立、看板の彫刻、文化財の修復や復元など、さまざま。 日本各地から木彫刻のあらゆる注文が集まります。
高岡漆器
高岡漆器の始まりは江戸時代のはじめ慶長14年にさかのぼります。
二代目加賀藩藩主前田利長公が高岡城を築き、城下町である高岡へ移り住んできた塗師(漆器の職人)に、武士が使う道具・家具類に漆を塗らせたことから始まりました。
やがて様々な技法が誕生し、彫刻塗、青貝塗、勇助塗の技術は高岡漆器を有名な漆器産地へと発展させました。
庄川挽物木地
砺波市庄川町は、江戸時代から加賀藩が飛騨や五箇山の木材を庄川の流れで川下げした、木材の一大集積地として栄えました。 江戸末期には魚津から越後屋清次という木地師が移り住み、原木を利用してロクロで挽く挽物木地の生産がはじまりました。 天然木の商品は一つとして同じものはなく、使うほどに艶や杢目の風合いが増していきます。
越中和紙
豊かで清らかな水に恵まれた富山県の自然風土の中で、それぞれの地域の歴史に根付き、暮らしに合った和紙が作られてきました。 県内で国の伝統的工芸品に指定されているのは、八尾和紙、五箇山和紙、蛭谷和紙の三つの産地。その総称が越中和紙です。 現在の八尾や五箇山では、型染めや鮮やかな色を施した丈夫なもみ紙で、おしゃれな小物が開発されています。
越中福岡の菅笠
菅笠は雨よけや日よけなど、農作業などに欠かせない日用品として、かつては日本各地で作られていました。 スゲは雨や雪をはじく撥水効果があり、防虫効果もあるとされています。 現在は高岡市福岡町で、全国の9割以上の菅笠が作られています。 福岡町の菅笠づくりは400年以上の歴史があり、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
県指定の伝統工芸品
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越中瀬戸焼
越中瀬戸焼は430年ほど前に、立山山麓にある立山町上末に、加賀前田家が尾張の瀬戸焼の陶工を招いてやきものを作らせたのがはじまりです。 上質な土や釉薬の材料は立山町周辺で産出したもので、質の高いやきものの源です。 現在では7人の陶工が活動しており、立山の土と富山県の風土に根付いた作品作りを進めています。
高岡鉄器
400年以上続く高岡鋳物の歴史は、高岡鉄器にはじまります。 戦後の高岡銅器の発展とともに、美術鉄器の生産が盛んとなり、現在も芸術性の高い茶釜や鉄瓶、干支や記念品などの置物、文鎮、調理用具など、多彩なものづくりが行われています。 高岡鉄器の良さを後世に伝えようと、鉄の特性を生かした商品開発が行われています。
高岡仏壇
高岡伝統の金工や漆工、木工の技の粋を集めて作られる高岡仏壇は、大型の美術工芸品とも言えます。 仏壇とは、寺院の本尊を安置する宮殿を模して小型にしたもので、江戸時代から一般用に作られるようになりました。 富山県では浄土真宗の西本願寺と東本願寺の阿弥陀堂を模した「金仏壇」が主流であり、金箔を多く使い、大きな仏壇では2,000枚ほど使用します。 金具、屋根、彫刻などの装飾は極楽浄土の荘厳を表現しています。使う木材は、青森ヒバ、イチョウなど硬くて虫に強い材料です。 現在高岡では、 高岡仏壇の流れを汲んだ工房が、 仏壇修復や寺社仏閣の修理を手掛けており、 伝統の技術・技法を受け継いでいます。
とやま土人形
一つひとつ手作りで仕上げる、とやま土人形。 江戸末期以降、信仰にまつわるものや縁起物、 魔除け、子供の玩具として親しまれています。 代表的なものには、学問の神様である天神様や桃の節句の抱き雛が代表的な土人形。 現在は「とやま土人形伝承会」が、伝統技法を後世に伝えようと活動を続けています。
富山木象嵌
富山木象嵌は近代木象嵌の第一人者・白川洗石に、中島杢堂が弟子入りして技術を習得し、富山県で広めたのがはじまりです。 杢目や色合いを生かすため、木は無着色で使用しており、白、黒、紺、赤などの色の木材を図柄に合わせて自由に使い分けています。 最近では額装の作品のほかに、日常で使える商品も開発しています。

